第14章 はじまり
柔軟体操をしながら五条が答えると、虎杖は「あぁ、うん。たぶんできるけど」と答えた。
「じゃあ10秒だ。10秒経ったら戻っておいで」
口角を上げ余裕そうに言う五条に対し、虎杖は「でも…」と言葉を濁した。
「だぁい丈夫♪
僕、最強だから」
まるで虎杖の中にいる宿儺を挑発するように五条はそう言い、手にしていた紙袋を伏黒に放り投げた。
伏黒は五条から渡された紙袋の中身を覗き、愕然とした。
⦅ この人、土産買ってから来やがった! 人が死にかけてる時に…! ⦆
伏黒の表情を見て、五条は自分が食べる分だと伝えていると その背後には刺青が浮き出た虎杖の姿が迫っていた。
「! 後ろっ!」
五条に向かって叫んだ伏黒の目の前には何故か宿儺の顔があった。
互いにじっと状況を理解しようとすると、宿儺の背後から五条が声をかけた。
「生徒の前なんでね、カッコつけさせてもらうよ」
振り向き様に打撃を仕掛ける宿儺に対し、五条は それを交わすと宿儺の片腕を掴み、顔面に一撃を食らわせた。
宿 ⦅?!
おそろしく速い? …違うな…⦆
吹き飛ばされた宿儺は自分の状況を理解しようと思考を巡らせ、ニヤリと笑った。
宿「まったく、いつの時代でも厄介なものだな、呪術師は」
言うと同時に近くにあったコンクリートを五条へ向かって破壊した。
ゴウッ!!
重たい音が五条の居た辺りを包み込む。
宿「まぁ、だから どうと言う話でもないが」