第14章 はじまり
「お前は もう人間じゃない。
呪術規定に基づき 虎杖悠仁…、お前を呪いとして祓う」
両手で何かを作ろうとしながら伏黒は言ったが、虎杖は気にしていないようだ。
「何ともねぇって。俺も伏黒もボロボロじゃん、病院行こうぜ」
「⦅ 今しゃべってんのが、呪物なのか虎杖かも、こっちは分かんねぇんだよ ⦆…くそっ、どうしたらいい!?」
警戒しながら何かを召還しようとした伏黒の隣に五条が現れた。
「今、どういう状況?」
「五条先生!」
五条を見て伏黒は少しだけ安堵すると、五条はいつも通り軽く答えた。
「来る気なかったんだけどさ、さすがに特級呪物が行方不明になると上が五月蝿くてね。
観光がてら 馳せ参じたってワケ」
⦅ そもそも特級呪物の回収を他人に任せるなよ… ⦆
五条を横目に見ながら伏黒は ため息をついた。
「で、見つかった?」
「………」
「…ゴメン、それ俺食べちゃった…」
五条の質問に黙り込む伏黒に、バツが悪そうに片手を挙げて自白する虎杖。
「………マジ?」
「「マジ」」
ぽかん としながら聞けば、伏黒と虎杖は声を合わせて答えた。
五条は「ふ~ん?」と虎杖に近寄り、その近さに虎杖は少しだけ驚いたが五条は口角を持ち上げた。
「本当だ、混じってるよ」
ウケる、と言いながらも虎杖の体調を気遣う五条。
「宿儺と代われるかい?」
五条が虎杖に聞けば、虎杖は「宿儺?」と聞き返した。
「君が喰った呪いだよ」