第14章 はじまり
嫌々 自分の任務を終わらせた五条の元に、伏黒から連絡が入った。
百葉箱に呪物が無いと聞き、五条はケラケラと笑いながら「それ(呪物)回収するまで帰って来ちゃダメだから」なんて言う始末。
伏黒は イラッとし五条との通話をブチッと切った。
☆ ☆ ☆
放課後、ラグビー場には2級と思われる呪霊が居たが伏黒は相手にせず呪物の気配を探した。
Yシャツと黒パンツ姿だったため敷地内に居る伏黒を見ても誰も不思議がる者は居なかった。
すると、
「陸部の高木と西中の虎杖が勝負するらしいぞ」
「マジで? 見に行こーぜ」
すれ違う男子生徒がグラウンドに向かって走って行った。
ラグビー場の確認が終わった伏黒もグラウンドへ向かうと、スポーツ刈りの がたいの良い男性とピンク色の頭をしたパーカー姿の男子高校生が居た。
少年は鉄球を軽々と投げ、サッカーゴールを破壊した。
野次馬に紛れ その様子を見ていた伏黒は少し驚いたが身近に似たようなタイプが居たため、呪物探しを再開しようとした伏黒の隣を、先程のパーカーの少年が通り過ぎた。
その時。
チリッ
「?!」
呪物の気配を感じた伏黒が振り返ると、パーカーの少年は すでに遠くの方へ去って行った。
「おい、お前! ………って速すぎんだろ」
ため息をつきながら伏黒は頭をガシガシと掻いた。
「…仕方ない……」
伏黒は校舎から離れ、人気の無い場所で鵺を呼び出し上空から特徴的な頭髪の少年を探した。