第14章 はじまり
「恵ぃ、任務で仙台まで行ってきて」
「……五条先生に来た任務じゃ無いんですか?」
五条を じとっ と見る伏黒。
五条の隣では伊地知がオロオロしている。
「だぁい丈夫だって♪
呪物の回収だけだから♪」
そうでしょ? 伊地知、と五条は伊地知に聞いた。
「え…、えぇ。
任務内容は
"仙台市にある高校の百葉箱に特級呪物が保管されている"
とタレコミがあり、現物の確認。
呪物だった場合は回収、必要に応じて仮封印する事です」
カチ、とメガネを上げ伊地知は言った。
「ほらぁ、そんなに難しくないでしょ?」
「…俺、封印なんて出来ないですよ」
「何とかなるって♪
呪物は基本的に大昔の御札が貼ってあるはずだし♪
封印する必要は無いと思うからさ♪」
「…………」
眉間に皺を寄せ、面倒くさそうな表情をしている伏黒とは打って代わって、五条は いつも通り軽く返す。
「じゃ、恵も承知したようだから伊地知、恵に旅費あげて♪」
「え?! 大丈夫ですか? 伏黒くん」
伊地知は心配そうに伏黒に聞くと、伏黒は ため息をついて「…大丈夫です」と返事をした。
「行ってらっしゃい、恵♪」
五条の発言に イラッ とする伏黒と、五条に来た任務を1年生で対応できるのか、上には何て報告したらいいのか、と オロオロしている伊地知。
そして伏黒が仙台に向かった2時間後。
「五条さん任務が入りました…」
「はぁ"あ"?」
ビクビクしながら五条に任務の話をする伊地知が居た。