第14章 はじまり
「"恵" って呼ぶの?」
『うん♪
恵も大きくなったし、久しぶりに会って "恵くん" って ちょっと違和感があったから、悟と同じように名前で呼ぶよ』
あすか はそう言い、伏黒に『いい?』と確認した。
「大丈夫です」
伏黒も了解し、あすか は にこにこ と笑った。
『久しぶりに恵に会えて良かった』
「……//」
素直な あすか の言葉に、伏黒は頬を赤くして照れた。
それから あすか と五条は伏黒から津美紀が呪われた時の事を聞いた。
伏黒の話を聞く限り、津美紀への呪いが発動している様子は無かった。それ故に解呪方法について検討もつかなかった。
『津美紀ちゃんに何かあったら すぐに教えるんだよ?』
伏黒に念を押す あすか。
伏黒は素直に「分かりました」と返事をした。
歯車は動き出していたのだ。
誰も気づかない所でカチカチと。