第13章 宣戦布告
あすか の居る地下室。
「今日は賑やかだな」
複数の気配を感じた蒼がチロチロと舌を出して そう言った。
『そぅだね。一応、蒼は中に入ってて』
蒼を体に入れると、地下室の扉が開いた。
『正道。あなたが来るなんて珍しいね』
夜蛾にそう言い、ぞくぞくと入ってくる1年生に視線を向ける あすか 。
「この子たちに あすか の存在を教えに来た」
そう答える夜蛾に あすか は『そう』と穏やかに答えた。
「高専にこんな所があるとはな…」
部屋を見渡しながら真希が言った。
「…彼女は あすか 。
…………特級呪霊だ」
「「「「?!」」」」
夜蛾の説明で一斉に あすか を見る1年生。
「呪霊?! どう見ても私らと変わらないくらいの人間だろうが」
真希は あすか を見てそう言った。
「正道、何で呪霊がココに居るんだ?
ココは呪霊を祓う場所だろう?」
パンダは夜蛾に聞いた。
「あすか は呪霊だが高専側に付いている。問題はない」
夜蛾に続いて五条が口を開いた。
「あすか は仲間だ。
真希が今持っている新しい呪具は あすか の呪力が籠ってる。
だから、壊れた呪具は2級だったけど、今は特級クラスになってる。それは真希も気付いているはずだ」
五条の説明に真希は口をつむんで、持っていた呪具を ぎゅっと握りしめた。
「そんな簡単に物に呪力を宿す事ができるんですか?」
乙骨が遠慮がちに聞くと、五条は「あすか だから出来たんだよ」と教えた。