第3章 旅立ち
宿「呪いについて聞こう」
宿儺は なぜか あすか が結界を張っている部屋に ドカッ と座り、初老の男性に聞いた。
「ココは遊郭。女同士の妬みや怨みが蠢く場所です。
あすか が来る前から、何人かの花魁が体調を崩し寝込んでいました。
あすか が来てから、寝込んでいた花魁は順調に回復しました。
しかし…。最近は太夫が体調を崩しつつあるのです。
太夫は一番の稼ぎ頭。それが客を取れなくなるのは痛手となります。
そのため、あすか から太夫を護ってもらっているのですが、あすか もさすがに辛そうで…。
これ以上、負担をかける訳にはいかず宿儺様の所へお邪魔致しました」
初老の男性の話を黙って聞いていた宿儺は、チラリ と あすか を見た。
宿⦅ 確かに四六時中結界を張り、女達を護るために式神まで使っているとなれば呪力の消費は かなり のものだろう ⦆
「どうか…
太夫や花魁、あすか を助けてはいただけないでしょうか?」
初老の男性は頭を畳につけ、宿儺に依頼した。
宿「あすか …
お前 良い人に巡り逢ったな」
ケヒ、と笑い宿儺は続けた。
宿「良いだろう。引き受けよう」
「ありがとうございます」
顔を上げる初老の男性に宿儺は続けた。
宿「同じ遊郭の女からの呪いかもしれぬし、他の遊郭からの呪いかもしれぬ…。もしくは、太夫に逢いたい男が念のようなものを出している可能性もある。
呪いの検討については あすか から聞く事にする。お前は下がって良いぞ」