第12章 歯車たち
「真希のためにも呪具増やしてあげて♪」
『どうやって??』
「簡単だよぉ♪ あすか が眼鏡や武器を肌身離さず触れていれば あすか の呪力が物に移る♪」
人差し指を ピッと立てて五条は言った。
「あ、でも急に呪力を流したらダメだよ? あすか の呪力が器に収まりきらずに物が壊れるから」
『わかった』
「ありがと♪ じゃあ後で地下室に物持ってくね♪」
珍しいものを見た あすか と蒼は 人が来ないうちに地下室へ戻った。
『そんなにすぐ私の呪力が物に移るかな?』
地下室へ戻り、あすか は蒼に聞いた。
「安心しろ。あすか の呪力操作は器用だから少しずつ呪力を流せば すぐ呪具になるだろうさ」
『そっか』
五条が眼鏡や武器を持って来てから3ヶ月程経った頃、五条が あすか の居る地下室へやって来た。
「………ねぇ、傑って本当に呪詛師になったと思う…?」
いつに無く真面目にそう聞く五条に、あすか は『急にどうしたの?』と聞いた。
「…傑の残穢があったんだ。
今回1年生たちに任せた任務地に……。傑は何を考えてるんだと思う?」
あすか が座るソファの隣に ドカッ と座り、五条は下を向いた。
『傑は周りをよく見てるし、頭の回転も速いからね…。
1年生の派遣先に傑の残穢があったって事は、悟へのアピールか1年生の中に気になる人物が居るか、かな…?』
「やっぱ そぅだよね」
五条は はぁ、とため息をついた。
『あ、そぅそぅ。預かった物には全部呪力が宿ったよ』