第2章 〜まさかの再開〜
ベンチに置いたタオルで軽く汗を拭いて戻ると、宮地先輩が立っていた。
「宮地先輩!」と声を掛けると、俺に気付いたのか、こっちを見ている。
「さっきのゲームめっちゃ楽しかったです!」
「またやりましょうね!」と言って微笑むと、宮地先輩はフッと笑って俺の頭をポンと撫でた。
「次、負けねぇからな。」
そう言って、宮地先輩は練習に戻って行った。
さっきの宮地先輩の手…あったかかったな…。
「詩翠、何をしているのだよ。」
ぼんやりしていると真太郎に呼ばれたため、慌ててそっちの方に向かう。
「ごめん真太郎。俺何したらいいんだ?」
「とりあえずは俺とシュートの精度を上げるのだよ。」
あぁ、そういえば真太郎ってすっげぇ努力家だったっけか。
やっぱ全然変わってねぇじゃん…。
黙々と俺達はシュートを打ち続け、真太郎も俺も一本も外す事は無かった。
「詩翠ー、真ちゃーん、もうすぐ完全下校なんすけどー?」
え、マジで?!もうそんな時間?
焦って辺りを見回すと、既に先輩達の姿は無く、残っているのは俺達3人だけだった。
「時間さっぱり分かんなかった…。真太郎、そろそろ帰るか?」
真太郎の方を向くと、ちょうど最後の一本を決めたところで俺の方に手を出してきた。
「片付けておくから先に行くのだよ。」
真太郎、やっさしーなおい。
「よろしく頼む。」
大人しく真太郎にボールを渡し、和成と部室に向かった。
「なあ和成、真太郎って今でもお汁粉好きか?」
「あー、しょっちゅう飲んでるね。それがどうしたの?」
「ん?ご褒美だよ、ご褒美。」
それにしても高1でまだ好きな飲み物お汁粉ってどうよ。
変わってねぇにもほどがあるぞコノヤロー。
部室から俺のと真太郎のカバンを両肩に掛け、校門に行く途中で見つけた自販機でお汁粉を買ってから体育館から出てきた真太郎と合流した。