第2章 〜まさかの再開〜
その後大坪先輩にユニフォームをもらい、着替えて体育館に向かった。
俺の愛用してる水色と白のバッシュを履き、髪を束ねてから体育館へと足を踏み入れる。
「お待たせしました。何したらいいっすか?」
「まずは俺と1on1な!」
そう言って出てきたのは宮地先輩。
なるほど、先輩を倒せるくらいでないと一軍にいられねぇって事か。
「本気で行きますけど、いいっすか?宮地先輩。」
「あたりめぇだ!本気じゃねぇとやる意味ねぇだろ。」
おお…楽しみ過ぎてニヤけ止まんねぇ…。
真太郎にも俺が強くなったってとこ見せてぇしな!
「詩翠ー!ボール行くぜー!」
和成からボールを受け取って、数回バウンドさせる。
「んじゃ、5ゴール先取で勝ちっつー事で。」
「了解っす。…行きます!」
言った瞬間、床を蹴ってドリブルで抜きにかかる。
流石先輩、なかなか簡単には抜けそうに無かったが、フェイントを駆使してシュートを決めた。
「詩翠…めっちゃ強ぇじゃん…。」
「まだ1ゴールっすよ?楽しみですね。」
ニヤリと笑って、今度は宮地先輩からの攻撃。
足が思ったより早く、すぐにシュートされてしまった。
それから点の取り合いが続き、宮地先輩が3、俺が4ゴールになっていた。
最後はあれで決めようと、ずっと置いていた俺の特技。
俺からの攻撃だったため、すぐにできた。
先輩が動き出すと同時にその場でシュート体勢を取る。
ここからゴールまでは離れているが…俺は外さない。
俺の打ったシュートは綺麗なループを描いてからリングにかする事無くネットを擦った。
「嘘…だろ…?」
「へへっ。宮地先輩、5ゴール頂きました。」
宮地先輩だけでなく、俺以外の全員がさっきのシュートに驚いていた。
汗を手の甲で拭っていると、真太郎と和成がこっちに来た。
「詩翠ってめっちゃ強ぇのな!」
いつもの数倍高いテンションの和成に…
「まさか詩翠もあのシュートが打てるとは思わなかったのだよ。」
珍しく驚いている真太郎。
まあ自分と同じことされちゃそりゃビビるか。
「真太郎のずっと見てたからな。ま、めっちゃ練習したけどな!」
俺はニコッと笑ってから、タオルを取りにベンチに向かった。