第3章 ~思い出を~
2時間目以降は班の役割決めたり、自由行動の日に行く場所決めたり、時間の配分考えたり…とにかく全く飽きる事のない時間を過ごした。
そんなこんなで現在昼休み。
真太郎達と昼飯を食ったあと、1人で屋上に立っていた。
屋上に行ってるって言ってねぇけど…まぁあの2人なら問題ねぇだろ。
フェンスに寄りかかって下を見ると、足が竦みそうになる程地面との距離がある。
俺が幼い頃は…母さんの所に行こうとして真太郎に結構怒られたっけな…。
ここから落ちれば母さんに会える、ってな…。
「はぁ…つくづく馬鹿だよな…。」
溜息と共に口に出すと更に自虐心が生まれ、思わず笑ってしまった。
俺は下を見るのをやめて顔を上げる。
俺に降り注いでくる太陽の暖かさが母さんみたいで思わず手を伸ばしていた。
「へへっ…大丈夫だ。俺には心強い相棒が2人もいるからよ…。」
だから…心配すんなよ、母さん。
その時、俺の言葉に応えるかのように屋上には爽やかな一陣の風が流れていった。
「ん…眠ぃな…。」
ポカポカする太陽に辺りを涼しくする風がちょうどいい気温になり、俺はその場に座り込んでフェンスにもたれた。
まだ授業まで時間がある事に安心したのか、俺は重くなった瞼に逆らう事無く目を閉じ、すぐに眠りに落ちた。