第2章 〜まさかの再開〜
積もる話もあるだろうから…と和成が言い出し、3人で飯を食う事になった。
売店の横にあるベンチに俺、真太郎、和成の順で座る。
「久しぶり。つか真太郎全然変わってねぇよな!」
ちょっと無理に笑いながらそう言う。俺はかなり変わっちまったからな…。
「全く…詩翠も無理をするのとその髪は変わってないのだよ。」
む、相変わらず鋭い…。そういえば子供の頃から何かあったらすぐ感づかれたっけな。
「何故、秀徳にきたんだ?」
やっぱ聞かれたか…。
「一言で言うと推薦、だな。高校行く気無かったんだけどあのおっさんがどうしても行けっつんだよ。」
ちなみにあのおっさん、とは俺の育ての親で孤児院の園長の事だ。
「そうか…詩翠は今でもあの場所にいるんだな…。」
落ち込んだ感じで言う真太郎をよそに、和成が「あの場所って何処だ?」といつものテンションで聞いてきた。
「あ、和成には言ってなかったな。俺は孤児院で育ったんだよ。」
笑いながら答え、いつの間にかあと一口になっていたサンドイッチを口に放り込んだ。
「しかし、高尾と同じクラスだったとは驚いたのだよ。」
「んな事言われたってなっちまったんだからしゃあねぇだろ?
あ、和成に聞いたけど真太郎ってバスケ部のエース様なんだってな!」
ニヤニヤしながら肘で真太郎をつつくと、「や、やめるのだよ!///」と全く説得力のない抗議をしてきた。
「ぶはっww真ちゃんツンデr(((殴「余計な事を言うな!」
真太郎の平手打ちが和成の頭にhit…。
真太郎にツンデレは禁句…と心の中のメモ帳に記録した。
「仲いいんだな、和成と真太郎って。羨ましいなぁ全く…。」
叩いたりしていても、仲の良さが痛いほど伝わってくる。
「じゃあさ、俺達詩翠の相棒にしてくんね?」
「何で俺も入れるのだよ。まあ…悪い気はしないが…。」
相棒…。和成と真太郎が…。
「俺でいいんなら、喜んで。」
俺がニコッと笑うと、和成は立ち上がり、俺と真太郎の前にしゃがんで拳を出してきた。
真太郎も和成が意図するところが分かったのか、珍しく口元を緩めて準備をしている。
なるほど、と思って俺も拳を作ると、3人同時に合わせて俺達は笑い合った。