第2章 〜まさかの再開〜
俺の家の前に来たところで、1人の男の子が立っていた。
「勇月か?」
「あ、詩翠姉ちゃんだ!」
俺が声をかけると、勇月は走って俺に飛びついて来た。
しゃがんで受け止めようとしたが、尻餅をついて座り込んでしまう。
「ただいま、勇月。元気いっぱいだな!」
へへっ、と笑う勇月の頭をポンと撫でると、真太郎が俺に手を差し伸べてきた。
「大丈夫か?」
呆れたような声だったが、ちょっとは心配してくれてると取っておこうか。
「ん、サンキュー。送ってもらってごめんな?」
「気にするなと言っただろう。明日も迎えに来るからちゃんと準備しておくのだよ。」
そう言うと真太郎はテーピングされている左手で俺の額にデコピンをかまして来た。
「ってぇー…分かったよ。じゃあな!」
「フッ、ああ、また明日なのだよ。」
真太郎に軽く手を振って勇月の手を握り、家の中に入っていった。
「ねぇ詩翠姉ちゃん、さっきの人だぁれ?」
「んー、俺の相棒だな。真太郎っていうんだ。
仲良くしてやれよ?」
勇月が「うんっ!」と頷いたのを満足しながら見届け、真太郎にデコピンされた所を触ってみた。
真太郎がさっき笑ってたのカッコよかった、なんていうのは心の中に閉まって…な。