第2章 〜まさかの再開〜
ただいま和成と真太郎と俺とで帰ってるとこなんだが…。
「和成、大丈夫か…?」
「ちょっ…詩翠今話しかけないで…。」
息切れしまくりの和成に…
「やはり美味いのだよ。」
優雅にお汁粉をすすってる真太郎…。
俺は現在和成が運転するチャリアカーなる物に乗せられているのだ。
「真太郎、和成大丈夫かな?」
「詩翠が心配する必要はないのだよ。そもそも言い出したのは高尾だ。」
確かに張り切って真太郎にジャンケン挑んで見事なまでに負けたのは和成なんだが。
「はぁっ、はぁっ…」
息切らしてまでってなると流石に罪悪感が…。
そんな思いに駆られながらもチャリアカーは真太郎の家に到着した。
俺はチャンスだと思い、真太郎に続いてリアカーを降りた。
「あれ?詩翠なんで降りてんの?」
怪訝そうに俺を見る和成に笑いかけながら口を開いた。
「和成をこれ以上疲れさしちゃ悪ぃからな。こっから俺の住んでるとこまで割と近ぇから問題ねぇし。」
「でもさ…」と食い下がる和成に見かねた真太郎が話始める。
「高尾はもう帰れ。詩翠は俺が送っていくのだよ。」
真太郎の有無を言わせない口調に和成も諦めたのか、「ったく…仰せのままに。」といってチャリアカーに跨った。
「詩翠ー、真ちゃーん、また明日なー!」
和成は手を振ってどんどん遠ざかって行った。
「全く、うるさい奴なのだよ。行くぞ、詩翠。」
そう言って歩き出した真太郎を慌てて追って、横に並んで歩いた。
「ごめんな、真太郎…。なんか二度手間…。」
「気にするな、俺の決めた事だ。」
俯いた俺の頭を、真太郎が優しく撫でてくれた。
子供扱いされてるみたいでちょっと恥ずかしかったが…悪い気はしない、かな?
それから俺の家に着くまでは、真太郎とずっと話をしていた。