第5章 Third Start
桜side
『!わかりました。ですが…それだけでよろしいのですか?もっと他にも色々雑用など私の使いようはあると思いますが…』
「何自分のことをモノ扱いしてるんだ?俺達は見返りなんて求めてない、でも桜ちゃんがそこまで言うならお願いをしているんだ。」
そう言われてしまえば何も返せません
やはり一郎さんは人との接し方がとてもお上手なようです
一郎さん、いえ皆さんのお願いなら仕方ありませんね
『はい。皆様のご期待に添えるようなお料理を振る舞えるよう精進してまいります』
私は二階の物置として使われていた部屋をきれいにし、ベッドや机、棚を備え付けて使わせていただきます
男ばかりの家で窮屈だろうからと一人部屋にしてくださいました
一郎さんは三郎さんとの同室を望んておられたようですが流石に恥ずかしいのでその話はなくなりましたね
ちなみに龍哉はといいますと二郎さんのことがとても好きなようで二郎さんの部屋を使うそうです
家に置いてきてしまった服や洗面道具などの生活用品、教科書などの書物、その他諸々は侍女の方に連絡をして全て持って来ていただきました
去り際、侍女の方々は私にこう言いました
「私どもは本日付けで侍女の職を辞し新しい環境へと参ります。」
「長年お嬢様のお気を煩わせてしまったこと、御主人様からお助けできなかったこと、本当に申し訳なく思っております。」
「私どもが言うようなことではありませんが…お嬢様、どうか幸せになってくださいませ。今まで本当にありがとうございました。」
『いえ、こちらこそ。これからもお身体に気をつけてお過ごしください。それではまた何処かでお会いしましょうね』