第4章 Second Resonance
桜side
言われた途端心臓が早鐘を打ち始めました
『ど、どうして…私、なんかを…?』
三郎さんに言われたことが信じられずに聞き返してしまいます
「す、好きに理由も何もないだろ…僕はただ、桜と話しているとすごく落ち着くっていうか…その…、ああもう!僕はこれが初恋なんだよ…ここまで言えば分かるでしょ」
耳まで真っ赤にしながら必死に答えてくださいます
そんな可愛い一面も持っていらっしゃるなんて驚きますね
『あ、あのっ…私も…三郎さんのこと、お慕いしていますよ』
その瞬間に三郎さんの顔はこれでもかというほどに真っ赤になっていました
でも、それに劣らないほどに私の顔も熱くなっています
そう思っているといつの間にかお家に着いていたようです
家に入ると私をそっとソファーへ降ろしてくださいました
少しして戻ってくると手にはタオルと包帯、それとご自分の洋服を持っています
「傷がいっぱいあったでしょ、ほら手出して」
三郎さんは私が負った傷を丁寧に手当してくださいました
私は今まで怪我をしても自分で応急処置をしろとお父様から言われておりましたのでこのように他の方からしていただくことが初めてです
手当が終わると
「服、汚れちゃったから洗っとくよ…ぼ、僕の服で良ければかすから」
『そんな、悪いですよ』
三郎さんは "いいから" と服を渡してくださいました
「着替え終わったら呼んで」
私は鳴り止まない鼓動を気にしながら少し大きめの黄色いパーカーに腕を通しました