第4章 Second Resonance
三郎side
「わかりました一兄。」
父親は顔を真っ赤にして怒っている
「勝手に娘を連れて行って、誘拐だ!」
「誰が誘拐だと、これは保護だ。そんなこともわかんねえのか。二郎、龍哉君も連れて行け。」
「分かったよ兄ちゃん」
僕は桜を姫抱きにして道場を出る
二郎も続いて龍哉君を呼びに行く
桜が家からいなくなったら怒りの矛先は龍哉君に向いて龍哉君が傷ついてしまう
その自体を考えて一兄は指示を出しているなんてやっぱりすごい
なるべく桜に負担がかからないようにそこそこのスピードで走る
僕の腕の中で今にも気を失いそうな桜が口を開いた
『ごめん…なさい、三郎さん。ご迷惑を、お掛けして…』
喋ることも億劫なのかところどころ支えながら話す
『私なんか…見捨ててくださって…良かったのに…』
その言葉を聞いて僕の胸は締め付けられた
「見捨てるなんてできるわけ無いだろ」
『でも…私を助けたところで、三郎さんに良い事なんて…むしろお父様が、皆さんを敵視してしまうかもしれないのにどうして…』
目に涙をいっぱい溜めて小刻みに震えるその姿に今までどれだけ我慢をしてきたかがわかる
僕が抑えていたこの気持ちはもう止まらない
その状況を見計らったのかはわからないが信号が赤に変わった
伝えるなら今だ
「僕、桜が好きだよ」