第4章 Second Resonance
三郎side
ん?
桜が部屋を出ていくときにふと違和感を覚えた
「なあ、桜ちゃん変じゃなかったか?」
「一兄もそう思いました?なにかに怯えているように見えたんですけど…」
「なんだよ、三郎もか?兄ちゃん、お菓子出してくれたときまでは普通だったよね」
確かにそうだな…
低能の割には観察してるじゃないか
「ああ。なにか要因があるとすれば、父親が帰ってきたときからじゃないか?」
父親…
そういえば前にお父さんがなんとかって言ってなかったか?
「あっ!!!」
「なんだよでかい声出して」
僕は気がついた
「前に桜の家のこと色々聞いたんですけど、その時お父さんは弟のことを第一子だって偽って桜の存在を隠してたって言ってました。跡継ぎさえ生まれればそれでいいと」
「つまり、桜ちゃんの父親はなにかと弟を優先して桜ちゃんのことは"生まれてくる価値もない人間だ"みたいな感じでいじめてるってことか?」
さすが一兄、名推理です!
「はい、確信はありませんがその説が有力だと思います」
「まじかよ」
そう話してるとき、誰かが襖を開けた
そこにいたのは
「お兄ちゃん達の話してたこと全部ほんとだよ」
悲しそうな顔をした龍哉くんだった