第3章 First Step
三郎side
また遊びに行きたいな…
一兄を連れて行くのはいいにしても二郎はな
って考えてんの何回目だっけ
まぁ桜の前では流石に煽ってこないか…
いや待て、あえて僕のことバカにして
"コイツこんな悪いやつなんだぜ"
ってアピールしてくるタイプかもしれない
「三郎ーご飯だぞ」
と一兄の声が聞こえる
急いで下に降りていくとテーブルに美味しそうなご飯がのっている
今日の晩御飯は一兄特製の唐揚げだ
「「「いただきます!」」」
「うっま!」
「とっても美味しいです一兄」
やっぱり一兄の唐揚げは最高だな
「そうか、それは良かった!ところで三郎。今日東雲さんの家行ったんだよな、どうだった?」
いきなりですか
「はい、素敵なお家でした。持っていったお菓子は食べたことがなかったようで美味しそうに食べてました。」
一応市販のクッキーとチョコ持っていったんだけど
「え!?ふつーのスーパーに売ってるお菓子食べたこと無かったのか」
やっぱりそこ驚きですよね
「はい、いつもご自分で作っているようで。お饅頭を出してもらったんですけど、美味しくて桜が料理上手だって初めて知りました」
「そうなんだ。てか三郎、いつの間に下の名前で呼んでたんだな」
あっ…気づくの早いですね一兄
「言ってなかったですね、まあ弟くんが呼んだら?って提案してくれたんで」
やっぱりちょっと恥ずかしいな
「弟くんがいたんだな。にしても料理上手な友達がいていいな!いつでも嫁に来れんじゃねえか」
よ、嫁!?
「気が早すぎますよ一兄!まだ好きだって伝えてもないのに…はっ」
ま、まずい…
一番聞かれたくないやつに聞かれた…
「あ、三郎が東雲さんのこと好きだって認めた」
二郎絶対バカにしてんな
「まぁいいじゃねえか。さ、唐揚げもっと食おうぜ」
「おう/はい」