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取り敢えずケーキが食べたいです【東卍夢(梵天)】

第19章 ただ私は竜ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【前編】


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いつの間にか私も竜ちゃんと寝ていたようだ。竜ちゃんはまだぐっすりと眠っていて、寝顔が幼くてとても可愛らしく見えた。竜ちゃんって童顔でとても愛らしいからきっと昔から可愛かったんだろうなぁ…過去の竜ちゃんってどんな感じだったんだろう。蘭ちゃんに聞いて見たら竜ちゃんの写真とかまだあるのかな?会って見たかったなぁ…そうベッドに横になりながら彼の顔を見つめ横髪を耳の後ろに掛ける。擽ったそうに身を捩る竜ちゃんにくすりと小さく笑う。

「大好きだよ…竜ちゃん」
「うん…ありがと」
「!…起きてたの?」
「……今起きた」
「本当に…?」
「……嘘、ちょっと前に起きてはいた」

ふふ…やっぱりね。そう竜ちゃんに笑い掛ければ彼もまた小さく微笑んだのだ。その時ふとカンカンカンカン…とどこからか電車の音が聞こえる。

「…竜ちゃん、どこかで電車の音が聞こえる?」
「電車…?」
「うん、踏切の音…ずっと、カンカンカンカンって…」

でも…あれ?何だか徐々にこちらへと音が近付いて来る。けたたましく鳴り響くその音に「いや…怖いよ、竜ちゃん」と縋れば竜ちゃんは私をギュッと抱き締めてくれた。大丈夫だからと撫ぜる背中に目を閉じるーー…体が浮いたような気がした。

ーーー
ーー


「ぅぐっ…ぁ、誰…?」
「えっ…」

ベッドに押し倒したように覆い被さっており、寝惚けた様子で私を見上げて来る高校生くらいの男の子…金髪に水色のメッシュが入ったお洒落な髪型をしており、菫色の瞳が私の視界に入った。
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