• テキストサイズ

取り敢えずケーキが食べたいです【東卍夢(梵天)】

第19章 ただ私は竜ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【前編】


「お帰りなさい、ご飯とお風呂両方出来てるけどーー…竜ちゃん?大丈夫?」
「ただいま…」
「お仕事、お疲れ様でした…」
「うん…」

今日の竜ちゃんは相当お疲れのようだ、3日程家を空けると申し訳なさげに言われてから、結局本当に帰って来なくてずっと徹夜続きだったと竜ちゃんが居ない間は蘭ちゃんが遊びに来てくれて、私が聞ける範囲で色々と教えて貰っていた。だから今日は竜ちゃんが好きだと言うご飯を作り、お風呂も湧かせて竜ちゃんの帰りをまだかまだかと待っていたりする。そんな竜ちゃんが帰って来てパタパタとスリッパを走らせる。玄関へ向かい笑顔で竜ちゃんへ声を掛けて見ると無言で私に擦り寄り菫色の瞳をとろんとさせてウトウトしていた。そっとウルフカットの髪を撫でながら、背中をぽんぽんと撫でる。ご飯もお風呂もまた後でも良いかも知れない…今先に寝かせてあげようと竜ちゃんへ声を掛けた。

「竜ちゃん、お部屋行こう?スーツ脱げる?」
「う〜ん…ぬがして?」
「ふふっ…はーい」

半分寝惚けているのか甘えん坊さんな竜ちゃんに笑い掛けながらスーツの上着を脱がして行く。ネクタイを緩めて竜ちゃんの手を引き寝室へと案内する、歩けるか聞くと私に少しもたれ掛かりながらコクリと頷いたから何とか歩いて貰い寝室のドアを開けた。

ベッドへ横になり、竜ちゃんは私を見上げる。未だ甘えるように私の手首を掴んだ竜ちゃんは「傍にいろよ…」と言っていて「邪魔じゃない?」と見下ろして尋ねて見ても眠そうに小さく頷いていた。なので私も「分かった」と笑って竜ちゃんのベッドに腰掛けると竜ちゃんの頭を撫でながら「お休みなさい」と声を掛けたのである。
/ 104ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp