第18章 ただ私は蘭ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【後編】
「それ…私が履いてた靴…」
「やっぱスニーカーじゃ格好付かねぇなぁ…」
「えっ?いや…だって今日履いたばかりの新品なのに…」
「過去でさ、栞が履いた靴…マンションにあったんだよ。夢だけど夢じゃなかったんだってさ…あの時すげぇ嬉しかった」
「ふふっ…随分薄汚れちゃったね」
「10年以上前の靴だからなぁ…これでも箱に入れて丁重に保管してあったんだぜ?」
未来、必ず迎えに行くって言っただろ?俺からすればシンデレラが俺を迎えに来てくれるの待ってたんだけど…そう意地悪そうな笑みで伝えて来た。
「まぁ…あれだわ。今度は栞に似合うガラスの靴をプレゼントするかなぁ♡」
「えぇー…ガラスの靴って履いて歩くの難しそうだね?」
「あ?その時は俺に寄り掛かって掴まれば良いだろ〜?♡お転婆で可愛いお姫様は俺の腕の中で一生過ごせば良いんだからさ…」
そう蘭ちゃんは跪いたまま、まるでおとぎ話の王子様のように私の手の甲へ口付けを落としたのだ。