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取り敢えずケーキが食べたいです【東卍夢(梵天)】

第18章 ただ私は蘭ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【後編】


「ごめん、蘭ちゃん…私やっぱり帰らないと」
「はっ?」
「未来の蘭ちゃんがきっと心配してるから…」
「どうしても未来の俺じゃなきゃ駄目なわけ?俺じゃ物足りない?力不足…?」
「……ううん、勿論今の蘭ちゃんも大好きだよ?」
「だったらーー…」
「それでも私を待ってくれている人がいるのなら私は蘭ちゃんに会いに行きたい……それに、シンデレラが王子様を迎えに行くのも洒落てるでしょ?」

そう蘭ちゃんを抱き締めた私は「今日は楽しかった、また蘭ちゃんに会えたら良いな…」と呟く。すると蘭ちゃんも私を抱き締め返して来て「はぁ…仕方ねぇなぁ。それじゃあ…未来で必ずシンデレラを迎えに行くわ♡」と笑い返してくれた。

カンカンカンカン…とどこかで踏切の音が聞こえる。ふわりと体が浮くような風が吹いた、ゆっくりと目を開けると私は蘭ちゃんの住むマンションに帰って来ていたりする。私はソファーへ横になり眠っていて、先程の事は全て夢なのか現実なのかと混乱した。

「お帰り、お転婆なシンデレラ…夢の世界は楽しかったか?」
「蘭ちゃんっ!」

ふらりとこちらへ来た蘭ちゃんは私に近付くと跪いて頭を撫でた。私はこの優しい手に擦り寄ってふふふっ…と目を細めて含み笑いを浮かべる。

「今日ね、とっても素敵な夢を見たの…」
「ふ〜ん…どんな?」
「過去の蘭ちゃんと竜ちゃんに会ってね…」
「そっかぁ♡」

蘭ちゃんは私の話しを聞きながら、ゆっくりと目の前に差し出して来た何かに目を見開いた。そして驚きの余り勢い良く体を起こす。
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