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取り敢えずケーキが食べたいです【東卍夢(梵天)】

第16章 ただ私は春ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【後編】


私は春ちゃんの胸元ですんすんと匂いを嗅いだ、春ちゃんはと言えばその言葉に声を詰まらせると私の頬に手を添えてため息をつくとコツンとオデコをくっ付けた。

「春ちゃん、それでね?聞いて欲しい事があるの」
「ーー…知ってる」
「えっ?」
「栞がここに戻って来た時、脳内に妙な記憶が更新された…お前、昔の俺に会ってただろ」
「!!…凄い、正解っ!」
「呑気なもんだわ…まぁ、助けを求める時俺の名前を呼んだのは正解だったけど。ははっ…お前本当俺の事好きだよなぁ♡」

心配していたけれど、機嫌が良さげに春ちゃんは笑っている。そんな春ちゃんを見上げながら私もにっこりと笑い返して口を開いた。

「私…春ちゃんの事大好きだよ」
「……はっ?」
「やっぱり貴方は私のヒーローだ」

そう伝えると、翡翠色の瞳が大きく見開かれる。春ちゃんはため息と共に「そんな事言うのお前くらいだわ」と言い私をまた強く抱き締めたのだった。それにしても春ちゃんの心臓がさっきよりも五月蝿くなり、顔は見えないけれど耳が赤くなっている。そんな彼に気付かないふりをして「助けてくれてありがとう」とまた伝えたのだ。
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