第14章 夏だ!海だ!水着だ!プライベートプールだ!【後編】
「はい♡蘭ちゃん特製のノンアルコールカクテル…名前はシンデレラ。栞にピッタリなノンアルだろ?」
「確かシンデレラのカクテルの意味は【夢見る少女】だったか?蘭、お前キザだなぁ…」
一ちゃんが苦笑いで食べ進める、元々大食いなのだろう。誰よりももぐもぐと食べていてあの細い体の一体どこへ入って行くのだろうかと不思議に思った。
「ありがとう蘭ちゃん。凄く可愛い…飲むの勿体なく思えて来ちゃう」
「気に入ったか?」
「ふふ、うん。とっても…」
また他に飲みたくなったら気軽に言えな?そう蘭ちゃんは私の頭をぽんぽんと撫でる。そう言う所があるから蘭ちゃんは憎めないんだよなぁ…ついついときめいてしまいそうになるから。そう黄色いシンデレラと呼ばれたノンアルコールカクテルを一口含んだのだ。あっ…美味しい。とても飲みやすく優しい味がした。
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夜、このプライベートプールの別荘に泊まる事となり寝静まっているから静かにウッドデッキへ歩いて行く。私以外皆お酒を飲んでいたし、きっと誰も起きて来ないだろうとビーチチェアへ腰掛けて横になる。都会なのに星空がキラキラしていてとても綺麗だと思った。私の世界では今どんな天気なのだろうか、晴れ?それとも曇り?雨とか…同じく夜を迎えているのかな?そう手を伸ばせば届く距離にないのは分かっているけれど、何となくそっと手を伸ばした。
「栞、風邪引くぞぉ?」
「!…えっ、春ちゃん?」