第14章 夏だ!海だ!水着だ!プライベートプールだ!【後編】
「うわぁ!美味しそう…っ」
「熱いから気を付けて食えよ?」
そう竜ちゃんから串焼きを一つ受け取る。見た目もお洒落で誰のセンスだろうかと目を輝かせた。ビールやワインを開け始めて酒のツマミのように飲み始めるからこの中で1番お酒が強い人って誰なんだろう?とふと思った。そんな時竜ちゃんが酒瓶を取り出して尋ねて来る。
「栞も何か飲む?」
「ごめんなさい私、下戸だからお酒飲めなくて…」
「あぁ〜…なるほど、じゃあノンアルならいけるか?」
そう竜ちゃんに尋ねられ頷いた私へ、蘭ちゃんが口を開く。
「ふ〜ん♡なら可愛い栞の為に俺が作ってやるよ」
「蘭ちゃん、いいの?」
「栞は特別なぁ?それで、何が飲みたいとかあるか?名前を言って貰えれば大体の物作れるしなぁ…」
「えっと、そう言うのも…詳しくなくて…ごめんなさい」
「良いよ♡寧ろ手馴れてなくて可愛いじゃん。なら酸味と甘みを両方楽しめる濃い味わいのノンアルコールカクテルで良いか?」
そう蘭ちゃんが言う為、何度か大きく頷く。ちょっと待ってろよ?と言われた為、蘭ちゃんを目で追う。部屋の中に戻って行った蘭ちゃんは、広々としたリビングにひっそりあるバーカウンターに立つと、おもむろに氷を冷凍庫から出してカクテルシェイカーへ入れてからオレンジジュース、レモンジュース、パイナップルジュースを流し込み15秒くらいシェイクしていた。手馴れてるなぁ…自分でも良く作って飲むのだろうかと言う手際の良さだった。カクテルグラスへ注がれる黄色いノンアルコール、それを私の所まで持って来た蘭ちゃんは私に手渡して来た。