第2章 私は春ちゃんのものです(白目)
春ちゃんは私を抱き締めたままお兄さん達に威嚇しており、心底可哀想と言った視線を私に向けて来る竜胆さんと甘やかしてあげるからおいで♡と色っぽい声で手招きしている蘭さんがいる。いやそれより顔面偏差値エグいな。
「今日泊まってもい~い?」
「あ、じゃあ俺も」
「いや帰れよっ!もう二度と来んなイカレ兄弟!!」
案外仲がいいのかも知れない、そう二人から同僚だと聞いていて明らかに春ちゃんと同じくカタギじゃないだろうからと余り深くは聞かなかったけれど。玄関まで送ろうとしたが、春ちゃんに後ろからホールドされている為全く身動きが取れなくなっている。なのでこの後ろから抱き着かれてソファーに腰掛けたままの状態で蘭さんと竜胆さんにバイバイと手を振って見る。すると竜胆さんは乙女チックに口元へ両手で包み頬を赤くした、逆に蘭さんは真顔で私を見下ろして小首を傾げている。
「はわわぁっ…可愛いっ…」
「なぁ…やっぱり俺等と一緒に行かねぇ?」
「ありがとうございます。気にして貰えて嬉しいんですけど、でも私は春ちゃんと一緒に居るのが楽しくて好きなので…」
「!…栞♡」
「それに、春ちゃんって口調はキツい時ありますけど案外気遣いとか出来て優しいので…」
「優しい?誰が?」
「春ちゃんがですけど…?」
「いや、三途は随一の冷酷無慈悲の悪魔じゃね?」
「竜胆、きっと女の子には優しいんだろ?」
「なるほどなぁ…あの春千夜ちゃんが」