第12章 やっぱり俺が責任取るわ。
気を遣ってくれたのが直ぐに分かった。本当は今だって俺見たいなカタギじゃねぇ奴と関わる事すら怖いだろうにと考えて申し訳なく思えて来る。水無月栞さんと名乗った女の子の名前を忘れないようにしっかりと覚える…栞は俺を見上げて穏やかに笑うから俺も彼女をなるべく怖がらせないように視線を合わせて屈み「本当にごめんな」と謝罪した、マンションに行く前に近くの100円ショップへ走り、アイスバッグ等の生活類を購入する。栞の存在自体が訳ありっぽそうだし、荷物すら何も持ち歩いてはいなさげに見える為…もしかして家出とか、家の中での生活が嫌になって逃げて来たとかそんな感じだろうか。それにしては虐待された様子も見られないし、あの華奢な体と小綺麗な格好をしているのを見るとーー…いや、それこそ有り得ないだろ?と左右に首を振る。必要だろう物をカゴの中にポイポイと入れて行き、今日だけは安物で申し訳ないが1人心細く待たせてしまっている栞の元へと急いで帰って行った。
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「アイスバッグ買って来たから、先ずこれで冷やして?」
「すみません、お手数をお掛けします…」
「良いよ、俺の方こそ痛い思いさせちゃってごめんな?」
マンションへ連れていき、アイスバッグに氷水を入れて手渡す。申し訳なさそうにこちらを見上げる栞は本当に可愛らしくて、妙に緊張してしまった。押し当てられたアザは真っ赤な色から薄紫色へと変色しておりまた罪悪感が募る。心臓がバクバクと高鳴るけれども、しっかり目線を合わせて跪くと口を開いた。