第11章 おとぎ話のシンデレラかよ。
消毒液を染み込ませた綿を足にぽんぽんと優しく押し当て、ガーゼと包帯を巻いて保護する。本当はどうしてあそこにいたのかとか、やっぱり気になるけれど…また泣かせたくねぇし本人が言いたくなるまで気長に待つつもりだった。しかし栞は俺に少しは心を開いてくれていたのか、先程あった事を説明してくれた。信じて貰えるか分からない話しに、きっと勇気を振り絞って伝えてくれたのが分かる。ただやはり俺の予想通りで、別の世界から来たのかと妙に納得もした。
「それはまた災難だったなぁ…」
「信じて、くれるんですか…?」
「うん、信じるよ?栞見たいな可愛い子に出会えたの俺初めてだしなぁ〜♡」
「やっぱり信じてないでしょう…?」
「ん〜?信じてるって。だって…この世界の男女の割合って男が9で女が1だもん♡」
「はっ…?」
目を見開いて驚く栞を見上げながら「痛くなかったか?良く頑張ったなぁ♡」と包帯を巻かれた足を労るように優しく撫でる。顔色を悪くさせる栞は手の平で顔を覆うと塞ぎ込んでいた。その姿を見上げながら本当に可愛い拾い物をしたと小さく笑った。