第7章 後日お兄ちゃん見たいだと伝えれば、頭を撫でられた。
万ちゃんがそう私に尋ねて来る、信じて貰えるか分からないけれど春ちゃんが説明してくれているのならと、意を決して私が今置かれている状況を目の前の万ちゃんへと伝えた。仕事帰りの時電車に轢かれて、この世界に来た事…男に追い掛けられていた所を春ちゃんに助けて貰い、春ちゃんの家に居候として今は住まわせて貰っている事等…万ちゃんは私の摩訶不思議な話しに相槌を打ちながら興味深そうに小さく笑った。
「へぇ…なるほどな」
「あの、春ちゃんから聞いているとは思うけど…頭が可笑しいとか思わないの?」
「嘘ついてんじゃねぇんだろ?」
「それは、勿論…」
「なら信じる。それに化学とかでは証明出来ない事とか俺の友達にもあったからさ…」
そんな万ちゃんはぽつりと続けるように、まぁ…アイツの場合はタイムリープだったけどな。と言っていたけれど、何だか余り深くを検索するのは失礼に当たりはばかられた為その話しは聞けずに終わった。
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「今日はありがとう、中々興味深かった」
「いいえ、そんな…私も万ちゃんとお話出来て楽しかったので」
「そう言って貰えると俺も嬉しい。妹が出来た見たいで…」
「妹…?」
「俺、男兄弟しかいないからさ。そもそも女の子と話すのも初めての体験だったから楽しかった」
「そっか…女の子が1割しかいないなら、そうなるのかな?」
確かに女の子が生まれる事すらこの世界では珍しい事だから、男兄弟だけになるのも分かる気がする。春ちゃんも兄弟がいるようで、兄と弟がいると教えてくれた。話しを聞きながら相槌を打つ私に万ちゃんは尋ねて来る。