第7章 後日お兄ちゃん見たいだと伝えれば、頭を撫でられた。
「へぇ…栞の世界では、女は普通に外出して生活してるんだ」
「うん。あっちでは女の子も普通に学校とかにも通っていたし仕事もしてたから…やっぱり外出出来なくてちょっと暇かなとか思っちゃうんだよね?」
どうしよう。マイキーさん改め佐野万次郎さん…いや万ちゃんはとても気さくで優しかったからだ。どうしてそうなったのか、それは朝から春ちゃんの車へと乗り込み、万ちゃんの所へ会いに行った。緊張と恐怖で顔色が真っ青な私を出迎えてくれたのは、春ちゃんと年の変わらない青年でさらさらした銀髪と、薄暗い瞳が印象的だった。私を見て一瞬驚いた顔をして、安心させるような笑顔を見せて口を開いた。ソファーへ腰掛けるように促され、私の目の前に万ちゃん。私の隣に春ちゃんと腰掛ける。
「詳しい話しは三途から聞いてる…」
「は、はい」
「先ずは、自己紹介からしようか…俺は佐野万次郎」
「私は水無月栞と言います」
「水無月栞な、宜しく…と栞呼んでもいい?」
「はい、勿論です」
「敬語はいらねぇよ、俺の事も好きに呼んで欲しい」
「じゃ、じゃあ…万ちゃん?」
万ちゃん…そう呟き目を見開いてぱちぱちと瞬きをする万ちゃんと、引いたように私を見る春ちゃんがいたりする。えっ、やっぱり駄目だった?と万ちゃんと春ちゃんを交互に見る。すると吹き出すように笑った万ちゃんがいたりした。
「ふはっ…万ちゃん。万ちゃんな…うん、いいよ。好きに呼べって言ったし…」
「……」
「それで栞から俺に教えてくれるか?まぁ三途から一通りは聞いてはいるが、お前の口から話しを聞いて見たいから…」