第1章 快適過ぎて逆に困る。
「俺そこまで気は長ぇ方じゃねぇんだよ、ほら…早くしろ。そうじゃねぇとそのまま放って行くぞ?」
春ちゃんさんは3、2、1と声を出して数え始める為、ええいままよ!!と春ちゃんさんのスリーピーススーツの腕へと抱き着いた。多分きっとどちらの選択肢を選んだ所で行くのは地獄ならまだ春ちゃんさんの方が良い気がした。ただとてもご機嫌そうに口角を釣り上げたから、やっぱり選択肢を間違えたかなと少しばかり後悔したりする。
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「ははっ♡ちっせぇなぁ…♡」
「いや、私の世界では平均ですよ!?」
「あ゙ぁ゙~手とか、体付きももちもちしてて気持ちいい…♡むさ苦しい男ばっかに囲まれて生活してたから、こう言う癒し欲しかったんだよぉ♡可愛いなぁ…栞は…♡」
うーん?どうしよう、とんでもなく快適で優雅な生活を送れているんだが?因みに初めてこのマンションの一室へと連れ込まれた時、絶対にどこにも行くなよ、裏切ったら死体だからな。と脅され軟禁生活を余儀なくされたけれど…私から言えば外の世界も危ない事を身を持って知っているから怖くて逃げようとは思わないし。
それに春ちゃんは案外私に優しかった、女の子の扱いとか慣れてはいなかったけれど…私が欲しい物とかがあれば、何だって通販で買ってもいいと言ってくれたし、私が甘い物を食べたいと言えば必ず家に帰って来てくれて、私が食べたいといっていた物をわざわざ買って来てくれたりするのだ。こんなに至れり尽くせりでいいのかなと私はほぼほぼ専業主婦のように掃除や洗濯、暇な時間にはのんびりとリビングの大画面でテレビを見たり、携帯でネットを検索したりと時間だけが過ぎて行った。