第20章 ただ私は竜ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【後編】
竜ちゃん、帰って来て〜…そう声を掛けながらソーダフロートを竜ちゃんの口元へと口付ける。冷たかったからか、ビクッと意識を取り戻した竜ちゃんがこちらを向いた。
「はい、あ〜ん♡」
「ぇ、ぁっ…あーん?」
ぱくっとアイスを食べる竜ちゃんににっこりと笑う「美味しいでしょう?」と問い掛ければ顔を真っ赤にさせて小さく頷いていた。本当に味分かってる?反応が薄い気がするんだけど?
「栞、俺にも1口頂戴?」
「はーい♡」
「だ、駄目!兄ちゃんも同じの買えばいいじゃん!」
「えぇ〜…」
「俺の、だから…兄ちゃんでも、やだっ…」
「か、可愛いっ!ら、蘭ちゃん!竜ちゃんって本当に可愛いね!」
「分かる、うちの弟がこんなにも可愛い♡はぁ…しょうがねぇから栞、俺と別の味シェアしようぜ?」
「シェアするのは問題ないけど、でも竜ちゃんのお金だけど良い?」
「もう好きな物買えよ…安いし…」
わーい♡竜ちゃんありがとう♡とソーダフロートをぺろりと舐めれば「関節キス…」と両手で顔を隠して耳まで真っ赤にさせて俯いていた。やっぱり竜ちゃん、可愛いね!未来の竜ちゃんの事を考えて過去の竜ちゃんがこんなに可愛いなんて思っておらずギャップ萌えにぎゅんぎゅんした。
ーーー
ーー
ー
3人仲良くデートして、帰り際に竜ちゃんが私を呼び止めた。未だ恋人繋ぎであった手を引き止めて顔を俯かせている、蘭ちゃんは気を利かせてくれたのか「先に行ってるぞ〜」と声を掛けてくれた為、竜ちゃんに向き直り小首を傾げて見せた。