第20章 ただ私は竜ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【後編】
「ぃぃょ…♡」
「んふふ…やった!ほら、竜ちゃん、蘭ちゃん早く行こう!」
「竜胆即落ち2コマかよ、ウケる♡」
またもや蘭ちゃんはケラケラ笑っていたけれど、竜ちゃんは半泣きで顔を真っ赤にさせながら私と恋人繋ぎのまま付いて来た。そんな竜ちゃんにギャップを感じて、女の子慣れしてないのは本当なんだなぁ…と竜ちゃんを眺めたのであった。
ーーー
「あっ!セブンティ○ンアイス!」
17と描かれたアイスの自販機を指差す。2人は食べた事がないのだろうか、反応が薄い。まぁ…確かにアイスとか自販機やコンビニとかでは食べなさそうだとは思うけど。あの高層マンションに住んでいる事を考えてと勝手に決定付ける「食いてぇの?」と私に聞く竜ちゃんへ目を輝かせた私は大きく頷いた。
「しゃーねぇなぁ…」
高校生にお金を払って貰うのが申し訳なく思ったが、私自身がお金を持っていなかったから…素直に甘える事にした「ほら、どれが良いんだよ」と自販機にお金を入れた竜ちゃんにありがとうと微笑み、ソーダフロートのボタンを押し選んだ。
「私昔からずっとソーダフロートが1番好きだったんだ」
「ふ〜ん」
「でも…今日もっと好きになった。ほらっ見てみて?竜ちゃんと同じ色!」
「はっ…?」
自販機から取り出したソーダフロートを見せる。目を見開いたまま固まる竜ちゃんと、吹き出すように笑う蘭ちゃんがいた。
「いや、確かにそっくりだわ」
「やっぱり似てるよね?美味しいから1口食べて見る?」
「そんなに言うなら俺貰おうかな?お〜い、竜胆、大丈夫かぁ?……あっ、息してねぇわ」
「えっ!」