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取り敢えずケーキが食べたいです【東卍夢(梵天)】

第20章 ただ私は竜ちゃんの過去の写真が気になっただけなのに【後編】


「……す、好き…だ…」
「竜ちゃん…」
「責任、取るとか…言ったけど…あの時から…一目惚れ、だったから…」
「……」
「このまま…本当に責任、取らせて下さい…」
「あのね…竜ちゃん。有耶無耶になってしまって言えてなかった事があるんだけど…」
「……なに?」
「私、未来から来てるの…未来の竜ちゃんと一緒に暮らしていてね?信じられないかも知れないけど…」
「……そっか」
「竜ちゃんの事は大好きだよ、気持ちはとても嬉しいーー…っ」

竜ちゃんは自分の丸眼鏡を外すと、私の唇へとキスを落とした。声を詰まらせた私は目の前の彼を見上げる、竜ちゃんはと言えば口を尖らせて不貞腐れた様子で私を見つめていた。

「それなら、未来で責任取らせて…?」
「竜ちゃん…」
「未来の俺にしか栞の事を幸せに出来ないのなら…予約させて欲しい。必ず責任取るから、俺と結婚前提に…付き合って下さい」
「ぁ、えっと…」

未来では、竜ちゃんがそう思っているかは分からない…でも今目の前にいる竜ちゃんが本気なのは分かっているから笑い話にしてはいけないと思った。

「もしも竜ちゃんが、まだ未来でも…私の事が好きだって言ってくれるなら、真剣に考えても…良いかな?」
「!…わ、分かった」

帰ろうかと赤くなった顔で手を差し出す竜ちゃんの手を握り返そうとした時、カンカンカンカン…と踏切の音が聞こえた。ピタリと手が止まる、竜ちゃんは私に声を掛けて来るがけたたましく鳴る踏切の音に彼の声が聞こえない。未来に帰れるのかと何故かふと思った。
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