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尽きぬ命 愛が尽きるその日まで

第10章 さよなら北の海


ナデシコが仲間を庇い傷つくのはやめろと、それでは仲間も強くはならない。


「そう怒られちゃって…」


シャチは話を聞くとあーっと間の抜けた声を出した。
仲間のほとんどは気づいていた。
ナデシコが庇うのは仲間の自分たちより船長であるトラファルガー・ローを庇うことが多いと。

それはナデシコだけが気づいてなかった。
仲間を庇う時はなんだかんだ怪我することがほぼない。


「今後偉大なる航路で皆さんの足を引っ張りたくないんですけどね…」

「ハハハ、それはそうだなナデシコには頑張って貰わないと!
それに、船長は怒ってないと思うよ?」

「え?」

「あの人、あれで怒ると言うより心配なんだと思う。
それに自分が守られてることに不甲斐なさを感じているだけだろうし。」

「そう…ですか…」


シャチはにぃっと歯を出して笑いナデシコの頭を撫でた。


「だから、酷く気にすることないからな!」


その笑顔にナデシコもほっとしたように微笑んだ。


「それじゃあそろそろみんなも起きる頃だし、偉大なる航路前の最後の島に行きますか。」


シャチが船の中へ戻りに行くのをナデシコが後をついて戻って行った。
ナデシコたちが船内に戻ると既にみんな起きていて潜水の準備をしていた。物資調達に降りるための島までは潜っていくらしかった。




島に着いたのは昼過ぎだった。


「必要な食料と燃料を詰んだら夜に出発する。」


ローとベポは船から降りずにリバースマウンテンについて話し合うらしい。
船の整備のためにほかの船員も何人かは残るとのこと。
結局、数人が買い出しに出かけることになった。

ナデシコとペンギンとイッカクで食料調達のため、町を歩いていた。


「やはり、見つからないか?」

「この島にもいないのか…」


バタバタと海兵たちが走り回っているのにペンギンは気づき咄嗟にナデシコにフードを被らせた。


「ちっ…まだ探し回ってるのか。
とりあえず人通りの少ないところへ行こう」


ペンギンの後にナデシコを挟むようにイッカクもついて歩く。

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