第9章 まるでマーメイド
みんなと同じつなぎを着ているせいか海兵はどれがナデシコなのか分からず困惑していた。
「大佐!どれが少女なのか分かりません!」
「ワノ国みたいな服を着ているやつはいないのか!?」
「トラファルガー・ローとクマ以外みんな同じようなつなぎを着ているため区別がつかないです!」
「だったら全員倒してから探せばいいだろ!」
そう言うと大佐が軍艦からポーラータング号に飛び乗った。
ローは飛び乗ってきた大佐を見てにやりと笑った。
「トラファルガー、今ならまだ見逃してやる。
不老不死の女を差し出せ。」
「断ったら?」
「仕方あるまい。それならば海賊団を壊滅させて生き残ったやつを連れて行くまでだ。」
大佐は大きなのこぎりを取出す。
ローはそれを見てにやりとした
「へぇほんとにのこぎりなんだなそれは骨も断つのか?」
「その生意気な口すら利けなくしてやる」
大佐が大きくのこぎりを振る。ローはそれをしゃがんで避ける。しかし避けることが分かっていたのか振った勢いのままのこぎりを上に持ち上げたたきつける。
”ルーム”
”シャンブルズ”
間一髪で自分の船の甲板にあった酒樽と自分を入れ替えた。
樽はすさまじい音を立てて真っ二つに割れた。
「船長!?」
ほかの海兵を相手しながらシャチやペンギンが叫んだ。
「お前ら目の前の開閉に集中しろ!」
その様子を見ていたナデシコが不安そうな表情を浮かべた。その様子に口元を布で隠したもじゃもじゃした髪をしたウニと呼ばれている男に肩をつかまれた。
「行かなくていい。気持ちはわかるが船長の意思だ。お前を引き渡すなら最初からやってる。」
「でも…!」
「今、出てもどのみち邪魔になるだけだ。」
ナデシコは戦うローを見守ることしかできない事に悔しがった。
そんなやり取りをしていると少佐らしき男がナデシコの体に刀を切りつけた。
「ナデシコ!?危ない!」
イッカクが叫んだとき振り返ると鋭い痛みが背中を走った。
「きゃああああ!」
「ナデシコ!?」
ペンギンとベポがナデシコに駆け寄った。