第9章 まるでマーメイド
部屋に二人で入るとローが椅子に座って話を切り出す。
「おれは、そろそろ偉大なる航路に進もうと思うんだがお前はどうしたい?」
「え?いまさらそれを私に聞くんですか?」
「今一度、確認しようと思ったんだ。悪いか?」
「いえ、とてもありがたいです。」
「なら、決まりだな。」
「ほんとに、ありがとうございます。」
ローが立ち上がろうとするとぐらりと床が傾いた。
「あ…!」
床が斜めになったことでナデシコはふらついて倒れかける。ローが咄嗟に彼女を受け止めたので転ぶことは無かった。
「何事だ!?」
揺れが不定期に船を襲う。
「キャプテーン!大変だぁ!」
遠くからベポの走る音が聞こえてきた。
ベポはバタンと扉を開ける。
「海軍が襲ってきたんだ!
しかも大佐クラスの!」
「ほう?面白ぇ…今行く!」
ローはニヤリと笑うと甲板へ出ていった。
ナデシコもそれに続いて甲板へ向かった。
「その情報は本当なんだろうな?」
「はい!間違えありません。
不老不死の少女と海賊トラファルガー・ローが一緒にいる所を目撃したとの情報が入ってました。」
「確かに、不老不死の少女…仮になんて呼ぼうか…
まぁいい、そいつが行方不明になったのもこの北の海だったしな」
軍艦から海兵を送り込み大佐らしき人が写真を眺める。
そこにはONLYALIVEと書かれていた。
ローは甲板に出る前にナデシコを隠すようつなぎと羽織をを投げつける。ナデシコもローの意図が分かったのか羽織を着てそこについてたフードを深く被ってから甲板へ出る。
甲板ではローの仲間たちが海兵と戦っていた。
「ナデシコ!」
ローがナデシコを呼びつけると薙刀を投げ渡す。
ナデシコはそれを受け取ると乱闘に混ざった。
群がる海兵を薙ぎ払い海へ落とす。
“ルーム”
“アンピュテート”
ローはサークルを展開させ鬼哭を横一文字に払う。
すると海兵達は胴体を切られ動けなくなった。
「さすがキャプテン!」
シャチやペンギン達が楽しそうに戦う。
「アイアーイ!」
「…ぐぇ!?」
ベポの重い蹴りを食らって海兵が海へ落とされる。