第6章 実力がモノを言う
ローとペンギンはアジトに残りガサ入れをしていた。今までの行方不明者と海軍が取り扱ったがもみ消されていたりしている事件の詳細などの書類、顧客リストやらを見つける。
「やっぱりな…」
ローは書類を握りしめると地上に上がる。外へ出ると首謀者が自分の仲間と戦っていた。
少し離れたところにナデシコが被害者を庇いながら部下らしき男と対峙している。もう1人の部下は伸びているようだった。
船長ユイルが突然、ナデシコの方へ向かった。
ローは予想していたかのようにサークルを瞬時に広げ、ナデシコとまだ戦えるユイルの部下を交換した。
ユイルの拳を受けた部下は悲痛な声を上げ倒れる。
「まったく、ようやく証拠を見つけたぞ。
海軍になりすましやがって…」
ユイルはじろりと声がした方に目を向けた。
そこには最近、噂になっている男。
黄色と黒のパーカーに白い帽子を被り刀を持ち歩くというその男が自分のアジトから出てきた。
「お前は…知っているぞ。
トラファルガー・ローだな?」
「だからなんだ?」
ローはニヤリと笑う。
「なぜ、お前が人助け紛いのことをしているんだ。海賊だろ?」
「さぁな?ただの…きまぐれだ。
それに…。」
ローはチラッとシャチを見た。
とても痛々しくうずくまっている。
「おれの仲間がずいぶん世話になったからな。」
“ルーム”
ブォンというノイズにも似た音が響き辺りを囲う。
「な、なんだこれは?能力か?
貴様…一体!」
「気を楽にしろ。すぐ終わる…」
「はぁ?終わらせねぇよ!
終わるのはてめぇだ!」
ユイルがローに殴りにかかった。
「殴ることしか脳がねぇのかよ」
「ふん、おれは体術に長けててな!」
ひらりと体を回転させてローに回し蹴りをする。
ローもローでしゃがみ蹴りを回避した。
「足元ガラ空きだぜ。」
ローは体勢を整えると軸足を蹴り飛ばす。
「なに!?」
ユイルはバランスを崩し倒れた。
その上にローは乗るとユイルの胸に手を当てた。
“カウンターショック”
電流を流し込まれユイルの体からビリビリと痛々しい感電音が鳴る。電流を流し込まれたユイルはガクガクと震えたと思ったら口から煙を吐き出し気絶した。
動かなくなったのを確認してからペンギンがシャチの方へ駆け寄った。