第6章 実力がモノを言う
“スキャン”
刀を右から左にスライドをさせ中の様子を探るとすぐにクイッと指を回した。
“シャンブルズ”
シャチとペンギンがいた所にはカランと木のジョッキが落ちた。シャチとペンギンはいきなりテーブルの上に立ち勢いよく人攫いのあごを蹴り飛ばす。
「なんだ!?こいつら!!いきなり出てきやがった!」
ガチャりと重い音を立てながら銃口が2人に向けられる。しかし2人は臆することなくテーブルから飛び降りると彼らを蹴ったり殴ったりしていく。
「いいか?後ろに攫われたヤツらが居るはずだ。
そいつらと一緒に逃げろ。いいか?捕まるんじゃねぇぞ。」
ナデシコが頷くとローはくるりと手を返した。
“シャンブルズ”
2人は部屋にあったものと入れ替わり部屋に入った。
背後を突かれた人攫いはたじろぐ。
「こいつらもどうやって!?」
「ハァ!」
ナデシコが勢いよく薙刀を振る。
ガシャガシャっと凄まじい音が響き部屋はしっちゃかめっちゃかになってしまった。
薙刀を間一髪避けたシャチとペンギンは面白くて笑っていた。
「あっぶねー!!勢い良すぎだろ!?」
「ハッハッハ。あーあ、せっかくの部屋がダメだなこれは。」
ナデシコは捕らわれている柱に括り付けられてる3人の女性の縄を切るとローはその瞬間、逃げ道を確保できるように人攫いたちを切っていく。
「ローさん!シャチさんにみんなの後ろを守ってもらうこと出来ますか!?
私が前を行くので!」
「あぁ。シャチ行け、頼んだぞ。」
「りょうかい!船長!ナデシコ 行くぞ!」
ナデシコが頷くと3人を引き連れ外へ向かった。
先程のハシゴを上り地上が安全か確認する。
「大丈夫です!みなさん上がってください。」
ナデシコの声を聞いた女性たちは着々と上がっていった。シャチが上りきり進んだところで建物の入口のドアを開けた。
「おれのアジトがやけに騒がしいと思ったら、なんだコイツらは!?」
耳を塞ぎたくなる怒号が響いた。
目の前には2mはあるであろう大きな男が立っていた。
男は力いっぱいナデシコに拳を振り下ろしてきた。
ナデシコは薙刀でその拳を受け止め薙ぎ払う。
「ほう?女なのにやるなぁ?」
男はニヤリと不気味に笑った。