第6章 実力がモノを言う
ペンギンは静かに足音を立てずに下りると見張りに近づく。
「なんだ貴様!?」
見張りの2人が剣を構えようとしたがすぐにペンギンの蹴りを食らい気絶した。ペンギンがコンコンと小さくハシゴを叩くとゆっくりと薙刀が下りてくる。下りるから薙刀を持っててほしいということだろう。
ペンギンは薙刀を受け取り、ナデシコを待つ。
ナデシコが下りてきたところでペンギンは奥に続いてる部屋のドアを見つめた。
「部屋がこの先の1つしかないのか?」
さささっとドアに近づき、ドアに耳をあて中の様子を探る。中からはゲラゲラと笑う声が聞こえた。
そこへローとシャチも合流した。
「中の状況はどうだ?」
「あ、船長…。パッと聞いただけでも10〜15人くらいですかね?そこにさらわれた人の声が入っているかは分かりかねますが…。おそらくは中かなと」
もう少し様子を見ようとペンギンはまたドアを耳にあてる。
「なぁ噂知ってるか?」
「あぁ?なんの?」
「不老不死の女が存在するって話だ。」
「そんなの噂じゃねぇか?
それか悪魔の実か」
「そう思うだろ?本当なんだよ。
海軍の連中がその話をしててな?
なんでも、天竜人にお目通しする際に逃げたらしいんだ。」
その会話がナデシコも聞こえたのか背筋がゾワッとする。
「それで?」
「まだ、正式に決まったわけじゃないが天竜人が探し求めるだけあってオンリーアライブで数億かけるかもしれないとさ。」
「女1人とっ捕まえるだけで数億か…」
「不老不死?なんのことすかね?船長?」
「さぁな。おれは興味ねぇ。」
ローは帽子を深く被り能力を発動させる。建物全体を囲うようにサークルが現れた。
「おれが先に行く。なにか交換できそうなものがあったらシャンブルするからすぐに戦えるように構えとけ。」
シャチとペンギンはニヤリと笑った。