第6章 実力がモノを言う
2人は顔を見合わせてため息を吐いた。
「分かった、少しだけだからな?」
シャチが立ち上がり準備運動をする。
その間ペンギンは荷物を置きに行くと船の中に入った。
「お手柔らかにお願いします。」
ナデシコが礼儀正しくお辞儀をしてから薙刀の袋を取り構えた。シャチもある程度からだをほぐし戦闘態勢になる。
「じゃあ、奇襲ってことで俺から行くぜ!」
シャチが凄まじいスピードでナデシコを殴りに向かう。そのスピードを見切るかのようにひらりと攻撃を躱す。
かわすのが分かっていたようにシャチはその後すぐに蹴りを出てきた。
「…!?」
ガチンと鋭く重い音がした。
どうやら蹴りを薙刀の柄で防いだようだ。
「へぇ、伊達じゃないっすね!」
1度距離を取り体勢を立て直す。
何度もパンチを繰り広げられるがナデシコは何度も避けることが出来た。
パンチした隙に入り込み薙刀を振り払う。
首根っこに刃の付け根が鈍い音を立ててシャチの背中を捕らえた。
「いっでぇ!?」
その声にペンギンとベポが何事かと慌てて出てくる。
その後にゆっくりとローが出てきた。
「船長、ほんとにおれ達で指導しろってのかよ…」
シャチは情けない声を出した。
「ごめんなさい!そんなに強く叩いたつもりは…!」
ローがシャチのツナギの上半身を脱がすと中に来ているシャツを捲りあげた。シャチの背中には軽く青アザがある。
「へぇ、やるじゃねぇか。」
面白そうにローは笑った。