第6章 実力がモノを言う
今度はペンギンと手合わせすることになる。
ナデシコは先程みたいに構え見合う。
ペンギンはシャチと同じくらいには強かった。
「はぁ!」
薙刀を勢いよく払うがペンギンは攻撃の受け流しが上手かった。薙刀の刃を避け突き出された薙刀の柄を握った。
「しまっ…!」
勢いよく投げられたナデシコの体はポスッと間の抜けた音を立ててベポの腕の中に落ちた。
「ナデシコは基礎的なところはしっかりしているけど詰めが甘いな。スピードと攻撃パターンを読まれたらすぐだ。
シャチは女だから手加減して油断したんだろう?」
パンパンと手を払いペンギンはひと仕事終えたような顔をする。それに対しうぐっと図星を指されたシャチは情けない顔をした。
(自分の身を守るのがこんなに大変なんて…)
世の中の広さにナデシコはワクワクした。
夜になり船の中で食事をしながら次の目的を確認する。
実はナデシコと出会う前から人攫いの足取りを調べていたらしい。
いよいよ、3日後にその人攫いの組織を潰しに行くらしい。その拠点となるのが今いる島にあるとのことで船は今置いてある場所に停めたままにする。
「ナデシコ、これはおれ達のやることだがお前はどうする?」
「行ってもいいなら、お供したいです!」
ナデシコの言葉にローはにやりと笑った。
そこそこ実力のある人間は多い方がいい。
今回の相手は50人以上だ。
お互いにカバーしながらなら可能なはずだとローは考えていた。