第5章 知らなかった世界
海底のすばらしさにはしゃいでいたナデシコだったがふと、話し声が聞こえて後ろを振り返る。
そこにはシャチとローが見守るような目でこちらを見ていた。
「あ!キャプテン!いつの間にそこにいたの?」
ベポの声の方が早かった。
「ついさっきだ。」
「そっか〜。そうだキャプテン聞いてよ
ナデシコってば、ほんとに初めてのことばかりみたいだよ。
次の島に着いたら色々教えてあげようって思うんだ。」
嬉しそうに話すベポにローが優しく笑った。
「そういえば次の島は町のある島なんですか?」
「あぁ。そこでお前の服とかも調達しようと思う。
ずっと男もんのツナギを着てても動くに動けないだろ?」
「え、そんな気を遣わなくても…」
「いいんじゃないすか?
服の1着や2着安いもんだし。」
シャチが楽しそうにナデシコを見ていた。
申し訳なさそうにしている彼女がなんだか可愛いらしい。
それを見ていたローは呆れるようにため息を吐いた。
「し、島まではどれくらい?」
「すぐだよ。明日の朝には海域に着くと思う。」
話を聞いていたのかペンギンが地図を持ちながらやってきた。
「ペンギン。地図なんか持ってどうした?」
「キャプテン、スコープで見てたんすがなんかこの海域に海軍が多くいまして。」
「なに?」
「しかも、世界政府の船もあるんすよ。」
ペンギンの言葉に背筋がゾワッとした。