第4章 青年たちは海賊団
そう語るナデシコを3人は黙って聞いていた。
「なんか、おれと似てるね。」
ベポがしんみりと涙を浮かべる。
「え?」
「おれも兄ちゃんを探しているんだ。ある日、急にいなくなっちゃって。」
「そうなんだ…」
ローはきっとベポの考えが分かったらしく大きくため息を吐いた。
「ベポ…それでもおれ達の船に乗るかどうかはこいつが自分で決めることだ。」
「わ、分かってるよ。でも、やっぱりおれ…。
家族がいなくなって心配する気持ちも分かるし。」
ベポがしょぼんとしているとナデシコは作業する手を止めて両手を床に揃え頭を下げた。
ほんとに、あの子が生きてるなら…もう一度会いたい。
「……もし、皆さまがよろしいならお邪魔してもよろしいでしょうか?もちろんお荷物にならないよう努めます。
どうか、よろしくお願いします。」
その言葉にベポはとても喜んだ。
早速4人は1度、船へと戻る。
「とりあえず、そのボロボロの服を着替えろ。
なんて言うか…見苦しい。」
ローはバサりと1着のツナギを投げ渡した。