第4章 青年たちは海賊団
ナデシコは躊躇った。
行く宛ても目的もない不老不死の人間を置いとくのはお荷物ではないだろうか?
「お気持ちは嬉しいですが…」
断ろうと思った矢先、ベポがじゃあ行こうよ!と乗り出した。
「そう言えば…キミはどこから来たの?
生まれはどこ?」
ベポの言葉にハッと息を飲む。
ゆっくり視線を落とした。
「えっと…ワノ国…」
その言葉にローの眉がピクリと動いた。
「聞いたことある…グランドラインの先にある島だと。」
ローの言葉にナデシコの顔が上がる。
「知っているのですか?」
「いや、おれも詳しいことは知らねぇ。
未知の世界だ。帰りたいのか?」
帰りたいのかどうかと問われれば分からない。
今のワノ国は最悪の国だ。
帰る気にもならない。
思うのはただ1つ…
「とある人とハグれてしまって。叶うならその人にもう一度会いたい…
生きてるならこの手で抱きしめたい。」
キチベエが生きているか確かめたかった。