第4章 青年たちは海賊団
その様子を見ながらペンギンが質問をした。
「おれからいいすか?君の名前は?
俺はペンギン、このシロクマはベポ。もう1人仲間が船番しててそいつはシャチっていうんだ。おれたちの船長が」
言いかけた時、青年は「トラファルガー・ロー」とぶっきらぼうに答えた。
「私はナデシコ」
「そうか、ナデシコ。まずここに来たのはいつからだ?」
ローと名乗った男が必要な質問を順に投げかける。
「1週間ほど前。」
「何故ここにいる?」
「海軍と呼ばれる船から逃げたから。」
海軍という言葉にベポが驚いた。
「まさか同業者?」
「同業者?」
ナデシコがキョトンとした。
「あぁ、おれ達は海賊なんだ。」
ペンギンが補足をするとナデシコは納得したようだった。
「海賊がどういうものかは何となくしか分からないけど、私はそういうものじゃないよ」
「じゃあなんで海軍の船から逃げ出したの?」
ベポの言葉に喉が詰まった。
思い出したくないが故に話したくなかった。