第4章 青年たちは海賊団
青年達が簡易的な小屋で見かけたのはナデシコが仕掛けた罠に獲物がかかったかを確認しに行った帰りだった。うさぎが一羽捕まり、川の魚は6匹捕まっていた。
1日1食それだけあればナデシコは十分生きていける。
ある程度の栄養があれば行動するのは容易いことだ。
魚を3枚に下ろし2枚はその日のうちに食べてあとの1枚は燻製にするなりすればいい。
そうして漂流から1週間、保存食を作っていた矢先の話だ。
「まず、約束しよう。
俺たちはお前を捕らえたり残虐非道な実験はしない。
ただ旅の途中でこの島に立ち寄っただけだ。
なぜ、お前がここにいるか教えろ。」
青年がナデシコを真っ直ぐ見据えた。
その目にナデシコは観念したように少しずつ話し始めた。
「どこから話せばいいのか分からないから一問一答で話していく…。
とりあえずこの白いクマから解放してちょうだい。」
青年はベポとアイコンタクトをした。
ベポも頷きナデシコを離した。
「ここで立ち話もイヤだから中に入ってほしいけどいい?
別に奇襲するつもりもないわ。
ただ取った食料を保存食にしたいから。」
青年は頷き4人は小屋の中へ入った。
「作業しながら答えるけど気にしないで。
聞かれたことには極力答えるつもりだから。」
ナデシコはそういうと石で作った包丁で魚やうさぎ等を捌き始めた。