第3章 動き出した運命の歯車
体に刺青を入れ、毛皮の帽子をかぶった16歳の青年を船長に黄色い潜水艦は海を進んでいた。
「キャプテン!島が見えてきたよ!」
喋るシロクマが双眼鏡を見て興奮した。
「ようやくか、長かったな…」
よいしょと腰を上げシロクマの隣に立つ。
シロクマはその隣で双眼鏡を覗き続けていた。
「本当に無人島なんだな。
町や村はなさそう。どうする?」
「食料もそこを尽きそうだからな。
肉や魚とかでもいいからなるべく確保したい。」
「アイアイ!」
黄色い潜水艦が大きな音を立てて海上へと姿を現した。
そこから青年とシロクマ、PENGUINと書かれた帽子の男が船から出てくる。
島に足を踏み入れ、島の様子を見た。
「どうする?キャプテン。手分けして食料探す?」
「そうだな…もう少し奥に行ってから手分けするか。
ベポ、ペンギンと2人でいいか?」
「もちろんだよ!」
3人はそのまま森へと入っていた。
3人がそろそろ食料探しに手分けしようとした時ベポと呼ばれたシロクマが森の奥に煙が立っているのを見つけた。
「キャプテン、あれ煙じゃない?」
ベポの指さす方を見ると確かに篝火らしき煙が上がっていた。
「ここは無人島のはずっすよね?行ってみます?」
ペンギンの言葉に船長は頷き煙の上がる方へ向かった。
拙い組木で作られた小さな小屋がそこには建っていた。
中に入ると人が生活しているのが何となくわかる。
「船長?これって…誰かいるってことっすよね?」
「まだ、火は消えたばかりだし…ってこれ木の実じゃない?」
「……」
青年はその様子をじっと観察していた。