第3章 動き出した運命の歯車
天竜人に実験のことや彼女のことが気に入れば莫大な資産源になってくれるかもしれないと研究者はたいそう喜んだ。
「どこに行くの?」
「さぁ?それは教えられないんだ。
我々も知らされてないからね。さぁ行ったいった。」
ナデシコはしぶしぶ船に乗り込んだ1ヶ月近くの長旅になるらしく暫くは実験も検証も出来ないことに研究者たちは残念がる。
それにナデシコはホッとした。
しばらくの間、苦痛に打ちひしがれることがないと。
その安寧に心が軽くなった。
1ヶ月後
「お?やっと見えたぞ!目的の島だ! 」
監視員が大きな声で叫ぶのが聞こえた。
そして、数時間で船は港に入っていく。
「ほら、行くぞ。」
逃げられないように手錠をかけようとした時、ナデシコは海兵の男の象徴を蹴りあげた。
鍵が開いた部屋はすんなり抜けられた。
「…ごめんなさい」
悶えている男に謝って船内を走り出した。1度走り回ったことのある船どこが外に繋がるかは何となくわかっていた。
急いで甲板に飛び出し緊急時脱出ボートを海に下ろした。それに飛び乗ると波も高いことあってかすぐに沖に流された。
「しまった!逃げたのか!?」
慌てて研究者が追いかけろと支持するが誰も行くことが出来なかった。ボートの背後には大きな船が迫ってきている。
「もう無理です!」
ナデシコは船とぶつかる前に海に飛び込み、乗っていたボートは大きな船によって粉々にされた。